SSブログ

総理大臣は憲法に関する知識がなくても務まるのか? [司法書士試験]

昨日、TBSの「THE NEWS」という報道番組で6党首による党首討論が行われておりました。
いつもどおりかみあわない党首討論をしていたわけですが、一つだけ気になる議論がありました。

各党の党首が、9つのテーマの中から1つ任意に選び、それについて他の任意の党首に質問をする
というコーナーがありました。企画の良し悪しは別として、他の番組にはない、なかなかおもしろい
趣向だと思いました。

わたしが注目したのは、社民党福島みずほ党首による麻生総裁への「集団的自衛権」についての
質問のところです。

正確ではないかもしれませんが、福島党首の質問は下記のようなものだったと記憶しています。

「政府は今まで集団的自衛権を認めてこなかったが、(中略)いつから憲法の解釈をかえて集団的
自衛権を認めるようになったのか?」

麻生総裁は、北朝鮮と米国のことをからめながら、最終的には下記のような主旨のことを言ったと
記憶しています。

「北朝鮮という脅威があるので、米国との関係から必要な対処をしました。」

そういう問題じゃないんだけど...

弁護士の福島党首らしい法解釈に関する質問だったわけですが、漢字を読めない人に法解釈論を
ぶつけるのはいささか無理があったようです。政府の公式見解は、日米安保条約も含めて、日本の
「個別的」自衛権の範囲内、ということになっています。よって、集団的自衛権は現行憲法から解釈
で導けるという見解はとっていません。

ここからは推測ですが、おそらく福島党首は、インド洋での補給支援をあげて、
アフガニスタン(一部はイラクらしい?)の米国軍への後方支援は、到底個別的自衛権では説明
しきれるのもではなく、事実上、集団的自衛権をなし崩し的に認めるもので、憲法違反と議論を
展開したかったのではないでしょうか。(くどいようですが、現行憲法から集団的自衛権を導き
出せるという見解を政府はとっていないため、集団的自衛権の行使とみなされる活動をすること
は違憲)

この福島党首の質問に対する麻生総裁の模範解答は
「テロから日本を守るための個別的自衛権の範囲内です。ですから、自衛隊の活動等は合憲です。」

もちろん、やれ解釈改憲だとか、やれどこまでが周辺なんだとか、米国が攻撃されて米国が起こした
戦争に加担することがなぜ個別的自衛権なんだとか、さんざん国会ですでになされた批判がされる
わけですが、一応政府与党としては首尾一貫するわけです。

直接集団的自衛権を認めるという発言はなかったものの、麻生総裁の答え方では
とらえようによっては、他に必要があれば、べつに憲法は守らなくてもよいと聞こえてしまいます。

この程度の法解釈は、政治家として最低限必要なスキルの一つだと思うんですが
どうなんでしょう?憲法解釈についての知識がなくても、総理大臣って務まるんですね。
っていうか、重要なテーマの政府見解ぐらい総理大臣なんだからしっかり覚えといてほしいものです。
党首討論がかみ合わないのは党首の力量不足のためではないでしょうかね。






nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。